「がん」は、現在日本人の二人に一人がかかると言われ、再発などのリスクも伴う厄介な病気である。

人々の身近に潜み、恐れられるがん。そんな中、多くの人に大きな衝撃と希望を与えるニュースを耳にした。

それは、全身にがんが転移した米国人男性のジョー・ティッペンズさんが犬の駆虫薬を飲むことで完治した、という前代未聞のニュースである。

 

 

男性は2016年に小細胞肺がんと診断され治療を始めたが、翌年にはがんが全身に転移し、「余命3か月」と宣告され、手の施しようのない状態であった。

しかしそのような状況に置かれながらも、男性は諦めずに病と向き合い、実験療法に参加するなどあらゆる方法を調べていたそうだ。

その中で、ある獣医と出会い、駆虫薬の服用にいたった。駆虫薬の名は「フェンベンダゾール」。

獣医によると、このフェンベンダゾールはマウスを使った実験で、がん細胞を攻撃する可能性があることが発見され、その後、人にも投与され成功したのだという。

ジョーさんは病院での延命をかけた実験療法を続けるとともに、フェンベンダゾールを服用した。他にビタミンBのサプリ、大麻から抽出されるカンナビジオール(CBD)、香辛料のウコンの有効成分であるクルクミンなどを摂取していた。

そして、なんと3か月後に受けたPET(放射断層撮影法)スキャンで、がんが全てなくなっていたのだ。

実験治療を受けた1100人の内、癌が完治したのはジョーさんただ一人だった。フェンベンダゾールが劇的に効いたとしか考えられなかった。

何とも信じられないようなニュースだが、この男性以外にもフェンベンダゾールを服用し、がんが治ったという例が40件以上もあることがわかった。

一般的にがん治療は高額なイメージがあるが、フェンベンダゾールは一週間分がたったの5ドルで売られている。もしフェンベンダゾールが本当にがんに効くのなら、これだけ低価格で誰でも手に入る薬は他にない。

しかし一方で“犬の駆虫薬”と聞いて人間の人体に影響がないか不安に思う人もいるだろう。

そこで、今後の研究でがん細胞への効き目や健康面での安全性、副作用や飲み合わせについて証明し、より人間に適した薬へと改良されることを望む。

また一人でも多くの命を救うためには早急にフェンベンダゾールの研究を進めることも必要と感じる。

そのために、このニュースをメディアでもっと大々的に取り上げ、募金を募り、研究資金に充てることもできるだろう。

最後に、このような奇跡が起こったのは、男性ががんと向き合い、懸命に闘った努力の結果だということ。

どのような状況に置かれても決して諦めず、主体的に挑み続けることは大切だ。男性の前向きな姿勢は、多くの人に勇気を与えたに違いない。
そしてこのニュースを受けて、身近なものが時に考えられないような結果をもたらす可能性があるのだということに気づけた。そこで私もなるべく固定観念をなくし、物事をあらゆる角度から考えることで、斬新なアイディアを生み出せるよう努力したいとも思った。

– written by Reina Tsuda


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